Free International University Japan 2/10/2007


ミーティングのお知らせ
前回ミーティングの報告


ミーティングのお知らせ

今年最初のミーティングを針生さんの家で開きます。今回はいつも通り6時30分からです。針生さんの家が初めてという人は一緒に行きたいと思いますので、小田急線・読売ランド前駅南口改札前に午後6時15分に集合してください。遅れる場合は、守谷(Tel.090-9301-4881)までご連絡ください。グーグルMAPのURLを添付しておきます。
http://www.google.co.jp/maps?f=q&hl=ja&q=%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E5%B8%82%E5%A4%9A%E6%91%A9%E5%8C%BA%E6%A0%97%E8%B0%B71-9-3&ie=UTF8&z=17&om=1
電車の時間は駅探などを参考に。 http://www.ekitan.com/
日時=2月10日(土)午後6時30分~9時
会場=針生邸(川崎市多摩区栗谷1-9-3 Tel.044-954-0183 小田急線読売ランド前駅下車徒歩10分)
参加費=1,000円
問い合わせ=Tel.090-9301-4881(守谷)


前回ミーティングの報告

忘年会を兼ねて軽く飲みながら、寿司やきりたんぽ鍋など食べながら。参加者も多く、またリラックスして発言多数、にぎやかでした。前々回に続きマルチチュードが話題になりましたが、ネットワークのことが中心だった前々回に対して、今度は〈共〉が話の中心になっていたように思います。活動のアイディアも少し出てきました。以下、箇条書きにします。
・「マルチチュード」をテーマにしたシンポジウムを開いてはどうか。
・美術作品やウェブサイトを作り、社会運動にも参加してきたが、自分の活動を表すのにマルチチュードという言葉が一番ぴったりする。
・マルチチュードは、これまでいわれてきた「労働者」や「市民」でもなく、それらを緩やかに広く一つにまとめるもの。
・『マルチチュード』の中(「群知性とはなにか」のくだり)にシロアリの話が出てくるが、アナーキズムと共通するものがある。
・シロアリの例はクロポトキンに由来する。文化に関する面ではアナーキズムを非常に評価する。コミュニズムは組織論に偏りすぎだ。
・社会組織の例としてよくシロアリや蜂の話が出てくるが、どうしてだか分からない。シロアリや蜂は本能で動いているのであって、そこには「自由」がない。
・日本で相互扶助を一番言ったのは有島武郎だ。
・柳田国男門下のマルクス主義者で、戦後は生活協同組合をつくった橋浦泰雄についての本を鶴見俊輔の息子の鶴見太郎が晶文社から出している。鶴見太郎『橋浦泰雄伝――柳田学の大いなる伴走者』(2000年、晶文社)、http://www.shobunsha.co.jp/bibliotheca/thought/thought_04.html
・『マルチチュード』には、ネットワーク、〈共〉と訳されている"The Common"、絶対的民主主義という3つの柱がある。
・お金が利潤を生み出すところにやはり問題がある。
・地域通貨やエコマネーは、地域経済の活性化や環境問題への取り組みの一つとして使われている。アメリカのイサカで使われる「イサカアワー」、イギリス、カナダなどで行われる「LETS」など有名だが、イギリスではニート対策に使われていたりもする。日本では通産省の役人が紹介したりしていた。
・琵琶湖では、バスを漁協に持っていくと地域通貨と取り替えてくれ、地域の商店などで使うことができた。集められたバスは有機肥料に加工された。ただしバスの産業化には反対。
・戦前、ドイツやオーストリアで時間が経つと価値の減少していく「自由貨幣」が使われていたことがある。
・このあいだノーベル賞をもらったマイクロクレジット、環境プロジェクトに融資するAPバンク、女性による起業やワーカーズ・コレクティブなどに融資する女性・市民信用組合設立準備会などの活動もある。
・イスラム銀行は、利子を取らないが、投資という形で企業の共同経営者となり、配当を受け取る。銀行が利益を上げれば、預金者にも「配当」されるが、銀行は大もうけしているという話もある。
・シュタイナー関連では、ボッフムのGSL銀行が有名だが、ヴァルドルフシューレ(シュタイナー学校)の設立や、有機農業のプロジェクトなどに、預金者が自分でプロジェクトと利率を決めて投資する仕組みになっている。
・シュタイナーの社会機構の三層化運動は頓挫したが、考え方は残っていて、たとえばヴァルドルフシューレでは、経済的状況によって学費を安くしてくれることもあるし、キリスト者共同体では、司祭の給料も先にいくら必要かたずねられ、それに応じた額になるようだ。一般人智学協会の会員数が4~5万人、ヴァルドルフシューレなどに関わる人はもっと多いにしろ、決して大きな組織ではないが、80~90年続く共同体があるからこそできる面がある。
・文科省の認可を受け、千葉にシュタイナー学校ができるとのこと。http://www.ashitanokuni.jp/
・FIUの理念の中にも、新しい経済システムということがある。
・美術家の白川昌生さんが地域通貨をテーマに作品を作り、また本も出している。白川昌生『美術、市場、地域通貨をめぐって』(2001年、水声社)、http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4891764538/hakairazuinfo-3-22/ref=nosim/
・前回話していたWikipediaやYouTube、あるいはクリエイティブ・コモンズの運動など、電子的な〈共〉を作っていっているものもある。
・ばかげたことを言うようだが、ゲーム内で使われる通貨や、リアルマネートレーディングにも何か可能性があるかもしれない。
・HIV治療薬など、特許権がジェネリック医薬品の生産の障害になっている。
・アフリカなど、ジェネリック医薬品でさえ高価で、医療体制も整っていない現実がある。
・格差は拡大する一方。IT産業など構造的に一人勝ち、寡占化が進むようになっているらしい。
・メディアアートと言っても何のことだか分かってもらえなくなっている。新聞やテレビなどマスメディアがメディアだと思われていて、空間などを含む広い意味でのメディアを理解させるのが難しい。ちなみにメディアアートという言葉が流通していたころは、いわゆるニューメディアを使った作品がメディアアートと呼ばれていたそうだ。
・「安倍とは何か」をテーマにするのも面白い。小泉がワンフレーズの劇場型でファシストだったのに対して、安倍は改憲を言い、北朝鮮への対応についても強硬的、父方の祖父は大政翼賛会に属さなかった政治家だったが、母方の岸との繋がりばかり強調する。そのわりにどうも優柔不断で掴みどころがない。
・フェリックス・ガタリとアラン・ジュフロワと鼎談した際に、当時は鈴木善幸が首相だったが、「あー」とか「うー」とかしか言わないので、こちらの側がそれを言語化してやらなければ、批判もできない状況だと話すと、ガタリがそれはより進んだ資本主義の支配体制だと言っていたのを思い出す。
・自分たちでやっていないで言うのもなんだが、日本のオルタナティブメディアの動きは活発でないようだ。
・世界社会フォーラムへの参加者は、先進国で日本が一番少ないかもしれない。
・GoogleがYouTubeを買収したが、広告と連動させる、またコマーシャルビデオを流すことで利益が上がるのだろう。キーワードを分析してマーケティングに使うなどさまざまな形で企業に営業しているようだ。
・検索した事柄に関連する広告が表示されるが、ある言葉を検索しても表示されないようにすることも可能だろう。
・YouTubeは、テレビ番組が多数投稿されるなど著作権侵害の問題がある一方、たくさんの人々が誰も見ないだろう映像を投稿していて面白いという。
・実際に大学を作ることも可能なのではないか。
・既存の大学の講座の中に寄付講座を開設する方が現実的では。
・サイバー大学は可能性が高いのでは。
・FIUをNPO法人化するのはどうか。
・ボイスの本を作ろうと思っている。
参加者=上岡誠二、大榎淳、上條陽子、黒田オサム、重岡依里、田島和子、針生一郎、福士斉、福田雅人、宮澤利行、守谷訓光、八鍬瑞子(敬称略)



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