Free International University Japan 11/11/2006


ミーティングのお知らせ
『9.11-8.15 日本心中』上映中
前回ミーティングの報告


ミーティングのお知らせ

下のようにミーティングを開きます。前回の流れからすると、テーマは「マルチチュード」あたりが適当かと思いますが、どうでしょうか? 「帝国」の裏返し、二項対立的なオルタナティブといったものでもないでしょうから、すぐに結論の出るような話でもないのですが。
前回と同じく、会場は針生さんの家です。やはり分かりにくいので、行ったことのない人は一緒に行きたいと思います。小田急線・読売ランド前駅南口改札前に午後6時15分に集合してください。遅れる場合には、守谷(Tel.090-9301-4881)まで連絡をお願いします。グーグルの地図のURLを添付。駅探(http://www.ekitan.com/)なども参考にしてください。
日時=11月11日(土)午後6時30分~9時
会場=針生邸(川崎市多摩区栗谷1-9-3 Tel.044-954-0183 小田急線読売ランド前駅下車徒歩10分、http://www.google.co.jp/maps?f=q&hl=ja&q=%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E5%B8%82%E5%A4%9A%E6%91%A9%E5%8C%BA%E6%A0%97%E8%B0%B71-9-3&ie=UTF8&z=17&om=1
参加費=1,000円
問い合わせ=Tel.090-9301-4881(守谷)


『9.11-8.15 日本心中』上映中

大浦信行さんの映画『9.11-8.15 日本心中』が、東京・東中野の「ポレポレ東中野」で上映されています。『日本心中 針生一郎・日本を丸ごと抱え込んでしまった男。』の続編で、今編には針生さん、大野一雄さんに加えて、重信メイさん、鵜飼哲さん、椹木野衣さん、金芝河なども出演。本編上映後のトークセッションも11月13日(月)重信さん、16日(木)鵜飼さん、19日(日)小倉利丸さんなど、連日開催されています。詳しくは「ポレポレ東中野」のサイト(http://www.mmjp.or.jp/pole2/)、『日本心中』の公式サイト(http://www.nihonshinju.com/)を見てください。

『9.11-8.15 日本心中』
2005年/カラー/145分
日時=12月1日まで、毎日午後8時20分から
会場=ポレポレ東中野(東京都中野区東中野4-4-1ポレポレ坐ビル地下 Tel.03-3371-0088 JR総武線東中野駅西口北側出口より徒歩1分、駅ホーム北側正面、都営地下鉄大江戸線東中野駅A1出口より徒歩1分)
料金=一般1,600円、大学・専門学生1,300円、シニア1,000円。前売特別鑑賞券はチケットぴあにて1,200円。ウェブ割引はhttp://www.nihonshinju.com/archives/100discount_ticket/


前回ミーティングの報告

10月7日のミーティングは、針生さんの自宅で。いろいろ話があったので、抜けているところもあると思いますが、ご容赦を。まずは針生さんの話から。
・1970年の大阪万博に反対して「反万博」の活動があったが、いわゆる反戦・反体制の運動では資本もスペースも敵うはずもなく、デモの仕方、ポスターの作り方など、商品化されてない対抗文化を取り上げるべきだと主張した。昨年亡くなってしまったが、キュレーターのハラルド・ゼーマンは69年に『態度が形態になるとき』展を開き、72年の『ドクメンタ5』ではコンセプチュアルアートやハプニング、スーパーリアリズムなどに焦点を当てた。その後、78年『モンテ・ヴェリタ』展でアスコーナの対抗文化コロニーを扱い、83年にはワーグナー、ボイスなどの『総合芸術作品』についての展覧会を開いた。アヴァンギャルド芸術は、コンセプチュアルアート、ミニマルアートが最後になるが、物としての作品でなければ、生活と直結した対抗文化の運動に生きているだろう。芸術と生活の境界を越えた文化運動をずっと考えてきた。
その後、針生さんも含め参加者での話に。
・60年代、70年代までは、文化運動にもマルクシズムというひとつの方向があったと思うが、現在はどうだろうか? エコロジーやリサイクル、教育、フェミニズムなど左翼の運動からつながって出てきたものもたくさんあるが、70年代後半には体制だけでなく労働運動なども保守化し、その両方に対しての「オルタナティブ」が言われていたように思う。
・アントニオ・ネグリとマイケル・ハートの『帝国』の続編『マルチチュード』がNHKブックスから出版されているが、そこでは、文化・人種・ジェンダーなど多様な内的差異を持ちながらも共的に行動する「マルチチュード」を、ネットワーク型のグローバルな支配形態「帝国」のオルタナティヴと位置づけている。
・ミャンマーに行ったが、そこでは壊れた物を直して使う「リサイクル」など当たり前で、まさに対抗文化がそこにあるのではないかと思う。今度メキシコに行くが、中南米の動きも面白そうだ。
・二パフやパレスチナの展覧会など、質も高いし、もっとたくさん人が集まってもいいように思うのだが、見られる以前に表象化、コード化されてしまっているのではないか。
・ハルランさんの講演会には60人ぐらい人が集まったが、以前からボイスを知っている人、FIUに関わっている人たちの生徒、たとえばキーファーの先生といった形で最近になって関心を持つようになった人たちと、3つの層があったと思う。
・「mixi」にボイスのコミュニティがあり、600人の登録者がいる。
・原美術館で開かれていたドイツ銀行のコレクションの展示や東京都現代美術館のカルティエ財団の展覧会、横浜トリエンナーレなど、たくさん人が来ていて驚いた。
・長野でビデオアートのフェスティバルをやろうと思っている(第1回長野国際ビデオ・アート・フェスティバル2006(NIVAF06)、11月23日(木・祝)、25日(土)、26日(日)、長野市で。詳しくはhttp://blogs.yahoo.co.jp/nivaf06へ)。
・反WTO、反イラク戦争などでインターネットやメールなどをうまく使った運動も起きている。
・日本でも、クリエイティヴ・コモンズの運動など、ネットを中心に動いているようだが、ほかのものはどうだろうか?
・上の年代になると、ネットに対するセンスも技術もない。
・コンピュータやビデオなど機材やソフトも安く豊富になったが、いい作品はなかなか出てこない。
・あらゆるものがパッケージ化されてしまい、大学生も教える側が段取りをつけないと自分では出来なくなってしまっているという話だ。
・ネットを通して呼びかけたイスラエルのレバノン攻撃に抗議するビデオは18時間分が集まり、フランスでは上映会があった。
・反北朝鮮のキャンペーンがテレビを中心に繰り返され、そうした雰囲気の中で簡単にイラクに自衛隊が派遣されてしまった。「国益」という言葉が急速に広まったのもそうだ。テレビで報道されていることを真実だと思わないという人が30パーセント以上いるという調査もあるのだが、こうした形で進んでいってしまう。
・パスポートにイスラエルの出入国スタンプを押されていると、シリアやレバノンなど入国できない国がある。ヨーロッパではイスラエル用に別のパスポートを出しているが、日本の場合は、逆に入国できない国の方が特別視され、その国用にパスポートを取る必要がある。
・日本の政府は、アラブ諸国とイスラエルの両方と友好関係を結ぼうとしていたが、急速にイスラエル寄り、アメリカ寄りになってしまった。
・『上海ビエンナーレ』は割りあいに面白かったが、グローバル化はアジアにも押し寄せていて、アニメをモチーフにした作品も多く驚かされた。
・パッケージ化、表象化は常に起こるのであって、それを越えていくには勉強することだ。環境問題ひとつとっても関わるといろいろなことが見えてくる。
参加者=伊藤陽宏、黒田オサム、重岡依里、霜田誠二、針生一郎、福田雅人、宮澤利行、守谷訓光、八鍬瑞子(敬称略)



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